団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、介護スタッフの数が足りず、高齢者向けのサービスが提供できない状態になると言われている。2025年以前に、すぐにでも人材が欲しいと考える事業所も多い。

政府はこの状況を打破すべく、入管法の改正に大きく舵を切った。介護業界では、ベトナムやフィリピンなど既に経済連携協定を結ぶ国から外国人労働者の受け入れを始めているが、まだとても満足できる状況ではない。

ただ実際のところ、多くの外国人労働者が介護職に就くことで、人材不足が解消できるかどうかは謎だ。というのも、介護業界は給与が低いことで知られている。そんな中、苦労して働きながらも満足いく給与がもらえないのであれば、辞めていくのは外国人も同じである。結果的に、日本人と同様に早々に辞めてしまう人が増える可能性は見過ごせない。

介護の給与問題を受け、国を挙げて色々な施策が講じられているが、現在も介護職で満足いく金額をもらっている人は少ない。たとえ介護福祉士などの有資格者であっても、高給は望みにくい。法人であっても介護報酬の削減による影響を受けて、首が回らなくなっている事業所も珍しくないのが現状だ。さらに小規模の事業所は人が集まりにくく、その多くが運営継続の危機に追い込まれている。

こうした現状をみても、とにかく早急に人材確保が望まれているのが伺える。少しでも改善するためには、現場の職員の要求を汲み取り、待遇を整え、介護職員のスキルアップをサポートするような対策を実施する必要があるだろう。